斎藤兆史(さいとう・よしふみ)という方が書いた「英語達人列伝」という本をひさびさに本棚からひっぱり出して読み返してみました。
有名な、5,000円札の顔にもなった「武士道」の著者新渡戸稲造氏をはじめ、この本には10名の英語の達人のことが書かれています。
学生時代、数学や理科など理数系があまり得意でない、というか好きではなかった私ですが、英語だけは、中学時代からその魅力にハマり、中年になる今まで飽きずにずっと続けていて、私にとってはキチョーな 存在です。
きっかけは単純で、映画を字幕なしで観れるようになりたい、外国人と英語で議論や意見交換をしたい、ニュースやラジオの英語が聴けるようになりたい、英語で仕事がしたい、といった願望を叶えたいと思ったから。
なぜ、そこまで英語が好きになったかというと、それは、やはり映画「カサブランカ」の影響って答えてます。知ってますか? ハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンが出ていてフランス領モロッコのカサブランカが舞台のラブロマンスです。
映画の中に出てくる歌 As time goes by があまりに有名ですね。
でも、私の場合、この映画の中のハンフリー・ボガードのセリフが大好きで、その英語の格好よさに惚れてしまって、それ以来そんな風に英語が喋れるようなりたいとずっと思ってきました。
Dooley Wilson 映画「カサブランカ」 As Time Goes By
高校を出てからはほとんど独学で英語を学んできましたが、世に英語の達人と呼ばれる人々、中でも通訳の世界の人たちには本当に強い影響を受けました。
村松増美、小松達也、國弘正雄、西山千
といった方々で、皆日本の有名な同時通訳者です。
でも、今回の本に出てくる“達人”はみんなもっと古い時代の人々であり、それぞれの分野で日本を代表する国際人と偉人と言えます。
この英語達人列伝という本は、このような偉人について書かれた本であると同時に、そういった人々がいかにして英語の達人となったのかを紐解く貴重な読み物として、私にとっては価値ある一冊となってます。
第1章は、新渡戸稲造博士のことが書かれていますが、そこに出てくるフレーズの中から私が特に興味を惹かれた箇所を紹介します。
英語圏で生活すれば英語は「ペラペラ」になるという幻想
よく、アメリカやイギリスなどの英語圏の国で数年間生活したら自然と英語がペラペラになる、という言われ方をします。完全に嘘とは思いませんが、問題はペラペラの中身の問題だと思います。自分が身に付けたい英語がどういったものなのかが一番大事だと思います。
日本にいながらにして英米人も舌を巻くほどの英語力を身につけ、、、
日本にいては英語がうまくなれっこないない、やはり英語圏の国に留学しなくてはダメ、 というのもよく聞くフレーズですが、果たしてそうか。聞き取る能力、英米人に通じる発音、など、英語力の中には重要な要素がいくつかあると思いますし、それらを総合的に身につけるには、オーソドックスでありながら、かつ自分にあったやり方を見つける必要がありそうです。
英語名人世代は外国人教師が高等教育の主要な担い手であった特殊な時代に育った人間たちである。
私も経験ありますが、英語を教えてくれるネイティブの存在はとても大きいと思います。外国に行く必要はないと思いますが、日本にいて英語の素養を身につけるためには、優秀な外国人教師の存在は不可欠なのかもしれません。
睡魔に襲われたときには井戸端で水を浴びてまで勉強をしたその超人的努力こそが英語達人を作り上げた
若干、根性もの的ですが、それくらい真剣に英語に向き合うという点や、寝食を忘れるくらい英語に熱中する、といったひたむきさは絶対的に必要だとは思います。
日本の思想を外国に伝え、外国の思想を日本に普及する媒酌になりたいのです
なんのために英語を勉強するのかということを自分の中にしっかり持つことがいかに大切かを教えてくれる部分だと思います。こういった動機付けがあるかないかで、英語が上達するかどうかが決まるとも言えると思います。
とういう訳で、今日は、斎藤兆史著「英語達人列伝」の、第1章「新渡戸稲造」をヒントに書いてみました。
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